2017年2月24日、SharePont Framework(SPFx)のGA版がリリースされました。
これを記念して、SPFxについても触れていきたいと思います。
これまでの開発手法
SharePoint上にアプリケーションを開発する上で、マイクロソフトから提供されているアプリケーション開発手法としては、これまで以下の方法が提供されていました。
開発手法 | 概要 |
SharePoint ソリューション | SharePointのファームサーバに対してサーバサイドAPIを利用してカスタマイズを施すファームソリューションと、クライアントサイドAPIを利用してサイトに対するカスタマイズが行えるサンドボックスソリューションの2種類があります。C#等のマネージコードで開発したアセンブリを動作させることが可能です。 以前はサンドボックスソリューションのみSharePoint Onlineでも利用できましたが、昨年、マイクロソフトからサポートから外される事が通知され、今後動作もできないようになります。 |
SharePoint アドイン | 以前はSharePointアプリと呼ばれていましたが、SharePointサイトで利用可能なWebパーツやワークフロー、リスト定義などを1つのアプリケーションとして定義可能で、SharePointストアで公開されているようなアプリケーションを作成することが可能です。SharePointホスト型と自動ホスト型、プロバイダーホスト型の種類があります。
SharePointホスト型は、作成したアプリケーションの全てのコンポーネントがSharePointへデプロイされ、実行されます。サーバサイドのコードを実行することはできず、カスタムなビジネスロジックはブラウザ上のJavaScriptのみで定義することになります。 プロバイダーホスト型は、定義情報のみSharePointへデプロイしますが、アプリケーションの実体をSharePoint以外の別のサーバにデプロイし、実行をさせる方式です。そのため、アプリケーションを実行させるサーバを別途用意しなければなりません。しかしながら、アプリケーションの実体をSharePointと切り離すことにより、ビジネスロジックをC#等のアセンブリコードを用いて開発することが可能となります。 自動ホスト型は、SharePoint Online専用の方式で、プロバイダーホスト型で必要となるアプリケーションサーバをSharePoint Online契約の中で自動でAzureのWebアプリケーションサーバにアプリケーションをデプロイし、実行させることができました。しかしながら、2014年6月30日以降、自動ホスト型はマイクロソフトからサポートされなくなり、新規にデプロイにデプロイをすることができなくなりました。 |
結果として、これまでSharePoint Onlineで実装可能な選択肢はSharePointアドインのみでした。
このSharePoint上のアプリケーションの開発手法として、昨年SharePoint Framework(SPFx)が公開され、先日やっとGA版の公開となりました。
SharePoint Frameworkで何が作れるのか
本記事を執筆時点(2017/03/01)では、SharePoint Frameworkを用いて実装可能な機能は、Webパーツのみとなります。SharePointアドインと比較すると以下の通りです。
SharePoint アドイン | SharePoint Framework | |
フルページ | 〇 | × |
Webパーツ | 〇 | 〇 |
カスタムリスト・ライブラリ | 〇 | × |
ワークフロー | 〇 | × |
カスタムコンテンツタイプ | 〇 | × |
カスタムアクション(リボン) | 〇 | × |
従来のSharePointアドインと比較して、実装可能な機能の種類はWebパーツのみです。これは今後に期待したいです。
次回は、SharePoint Frameworkの使用例を記載したいと思います。